REPORT 現地レポート

三井不動産カップ2021(埼玉大会)最終戦:日本94-59プエルトリコ「ここまできたらもうやるしかないという気持ち」本橋菜子選手

2021年7月17日

 「三井不動産カップ2021 バスケットボール女子日本代表国際強化試合」の最終戦は、FIBAランキング23位(日本10位)の女子プエルトリコ代表と対戦。ランキングにこそ差はありますが、プエルトリコも東京に集結した世界トップ12のうちの1チームです。前半は互角の戦いとなりましたが、「選手たち自身が気持ちもプレーも、しっかりアジャストしてくれました」と後半は一気に引き離し、94-59で勝利。AKATSUKI FIVE 女子日本代表は最高の状態で、まもなく開幕する最大のステージへ向かいます。

 神奈川大会ではポルトガルに3連勝し、埼玉大会でもベルギーとプエルトリコに勝利し、三井不動産カップは負けなしの5連勝。チームとしては最高の結果となりましたが、活躍しなければいけない選手たちの復調が待たれていました。今年4月にスタートした当初、ケガから復帰したばかりで別メニューだった本橋菜子選手、林咲希選手、宮澤夕貴選手でしたが、なかなか調子が上がりません。第1戦のベルギー戦では林選手こそ12分でしたが、本橋選手と宮澤選手は5分にも満たない出場時間でした。

 しかし、プエルトリコ戦では20-18と拮抗していた第2クォーターに起用された本橋選手が、すぐさま力強いアタックから得点を挙げます。一緒にコートに立った林選手は2本の3ポイントシュートを決め、復活を果たします。自身のコンディションについて、「感覚として80%は戻ってきています。ここまできたらもうやるしかないという気持ちで、自分もチームメイトも信じてコートに立っています」という本橋選手らしいプレーで11点。林選手は4本の3ポイントシュートを沈め、チームハイとの14点を挙げ、ファンやチームメイトを安心させます。

 リバウンドやドライブを仕掛け、自らリズムを作って行った宮澤選手が、第4クォーター残り2分22秒、待望の3ポイントシュートを決めました。その後もう1本沈め、8得点を挙げて復調の兆しを見せます。ホーバスヘッドコーチは、「あの3人が復活してくれたのは大きいです」と喜びます。どこよりも小さい日本が、金メダルを獲得するためにも、「スモールボールにした時間帯こそ速いペースにしたいです。相手にとって、絶対にミスマッチになりますが、それは関係ないです。ディフェンスでは速いローテーションや速いトラップを仕掛け、相手が2点を取っても3点を返し、相手のターンオーバーを誘ってまた2点を取るという考え方です」。プエルトリコに17本のターンオーバーを与えて94点を取ったこの試合こそ、日本の新しいスタイルです。

 本番まであと10日。髙田真希キャプテンは、「今日は試合の入り方は良くなかったことが反省点でしたが、良い経験になりました。本番で同じことをしてしまえば勝ちきれないですし、もったいない試合になってしまいます。今日経験したことを生かしていきたいです」と前向きに捉えます。今大会を終え、「アグレッシブに機動力を生かしたディフェンスをすれば、相手のミスを指すことができ、そこから日本の速いオフェンスにつなげることができました」と髙田選手は言い、大きな収穫を得ました。もちろんまだまだ課題もあり、もっともっとレベルアップしなければなりません。目標に向かって順調に進んでいることを、髙田キャプテンもホーバスヘッドコーチも声を揃えており、期待は高まるばかりです。

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